こんにちは、リュンヌです。 前回の続き・・・ 2019春夏の企画、楊柳生地に“しばり”というプリーツのモデルを制作したときのお話を少し。 2018年初夏、打ち合わせのためプリーツ工場へ出張したときの事。 「この楊柳生地でナチュラル感とリラックス感を表現したい。分量がほしいけれどギャザーでは膨らみすぎる。イメージに合うプリーツを探しています。動いた時、風が吹いた時、揺れるシルエット。リラックス感に色気を。。。」テクスチャーのイメージ、ヴィジョンを伝える。 早速工場でスワッチ作成開始。 最初のスワッチはイメージとほど遠く、 「んん。。。強すぎる、硬すぎますね。。。」 「では、次はしばり加減、位置を調整をしてみましょう。」 担当者が技術者へ指示を出し、次のスワッチが上がる。悪くなかった。しかし、しばりの強弱のムラがイメージよりも激しい。人の手で1枚ずつしばっていくから仕方がないのだろう。手作業なので感覚を共有するしかない。今、滞在中に感覚をできる限り共有していこう。 その後次々と方法を変えてスワッチ作成。もしかして、生地との相性がよくないのだろうか?いや、この生地でもう少しトライしたい、もう一歩なのだ。。。 滞在最終日にメージに近いスワッチがあがり、担当者と再度打ち合わせをして帰国。ほっ。
工場でしばりスワッチ作成の様子。加減を調整。
帰国後デザインをまとめていく。 寄せて束ねて動いて。。。大まかな分量が決まり、上機嫌で仮縫いを始める。 身頃はこのくらいの丈で、袖にはこのくらいの分量で、、、衿はこのバランスがよいかな? うん、悪くない。 C’est pas mal. トルソーの上に生地を置いていったその時、あれ、、、カーネーション? 一つ一つのパーツがカーネーションの花びらに見えてきました。。 テクスチャーが話しかけてきた瞬間。(前回の話、魔法の絨毯状態) 脳内で旅が始まり、IRVING PENNの花の写真がフラッシュバック。 展覧会で見た妖艶な花たちの写真。朽ち果てる色気、息をのむ美しさ。 仮縫い中の私の身体はここにあるけれど、魂は旅に。。。幽体離脱状態(笑) そのシーズンはカーネーションとネーミングしたシリーズでブラウス、ロングブラウス、スカート、マキシドレスを製作しました。L'UNEサイトARCHIVES 2019Pritemps/Etéでご覧いただけます)
2019年春夏カーネーションシリーズ
その数ケ月後に写真集'FLOWERS'を入手。 妄想の旅は続き、2020年春夏にプリーツを花に例えた’BOUQUET de L’UNE’(リュンヌの花束)を立ち上げる事となります。
IRVING PENN 'FLOWERS'
次回はレースのお話です。